こんばんは、Lambです
遅くなってしまいましたが、Houseを普段どんな感じで作っているかの記事を書くことにしました
ある程度Fenrir recordsの曲を聴いてこられた方はご存じかと思いますが、自分はここ数年、ほぼHouseばかりを作り続けてきました
その中で培った技術や知識を書き残しておこうかなと思います
※全部書くと本が出来上がってしまうくらい長くなるので、触りの部分だけになります
ごめんなさい(・_・;)
まず、自分の中でHouseはグルーブ感が全てだと思っています
ドラムとベースだけで聴いたときにノレない時点で、それは失敗だと思って基本に戻り、ドラムとベースを作り直すようにしています
ボリュームバランスも、ほぼドラムとベースが前面に出る感じで良いのかなと思っています
その上にコードやボーカルが乗っている感じです
このバランスが崩れると、HouseじゃなくてどんどんPopsっぽくなっていくのかなと個人的には思ってます
もちろんPopsチックなHouseも素晴らしい音楽なので、そこは作りたい雰囲気に合わせて変えていくと良いです
これを踏まえて、始めはドラムから作っていく場合が多いです
特にキックです!
気に入ったサンプルを持っていればそれでも良いし、なければキック用のシンセや複数のサンプルを加工し組み合わせて理想のキックを作ります
ただし、キックを加工して作るのは本当に難しく、色んな知識が必要なので慣れないうちはサンプルをそのまま使った方が良いかと思います
では、メインのドラムパートの打ち込みからスタートです
基本的なドラムトラックをまとめて、一小節分だけ抜き出してみました
1の行がキック、2の行がクラップやスネア、3の行がハイハットやシェイカーとなっています
・1の打ち込みについて
キックは1拍に1回が基本ですが、アクセントとして最後の拍だけ8分で2回打ってもノリが良くなって良い感じだと思います
また、曲中で展開をガラッと変えるためにキックを全部抜いてしまう方法をよく使います
蓮実さんの『EtErnal rain』Track2:星座紀行のイントロでもこの手法を使っています
キックを意図的に抜くことで、キックが入って盛り上がるであろう次の展開を予感させるような効果があると思います
それから、1拍分だけ抜くことで聴いている人の注意を引きつけたり、サビ前で1拍目を8分手前にずらして、ノリに変化を与えて飽きさせない手法もあります
ちなみに、蓮実さんの『EtErnal rain』Track2:星座紀行の2番A→Bメロへ進む展開を作るときは、キックを3連符で入れました
僕が好きなキック打ち込みの奥義、異展開三連蹴です
キックと言っても、単純に1拍に1回の打ち込みだけではなく、作りたい曲の展開に合わせて工夫できる部分が多々あり、とても奥が深いと部分だと思っています
・2の打ち込みについて
クラップやスネアの打ち込みは、かなり好みが分かれるパートなのかなと思っています
僕の場合は、2拍目と4拍目のキックに重ねて入れることが多いです
Houseの中でもスネアをよく聴かせたい曲の場合は、音量が大きくなり過ぎるのを防ぐため、スネアと重なるタイミングのキックのボリュームをあえて下げることがあります
この2の打ち込みについてもノリを制御することが可能で、キックと完璧にタイミング重ねればカッチリしたノリに、キックに対してほんの僅かに前後へタイミングをずらすことで良い感じのラフなノリにすることができます
実際に打ち込んだドラムを聴きながら、2を前後させながらノリの変化を確かめてみてください
・3の打ち込みについて
ハイハットやシェイカーの打ち込みに関しては、前回のブログ「Houseにおけるハイハットについて」を参考にして頂ければと思います
上の画像で、青いノートの弱いベロシティで打ち込まれている音は、前回に紹介した、ハイハットの疑似的な2つ目のアタックに相当します
これの出来具合でノリが大きく変わってきます
Houseを作る上手さは、この青いノートの音選びや加工、打ち込みにかかっていると言っても過言ではないと思っています
「Houseにおけるハイハット」を熟読して、僕の説明の下手さを感じて頂けたら幸いです
・スウィングについて
打ち込みのタイミングに関してですが、拍の区切り線が1小節に均等に並んでいないのが分かるかと思います
画像上部の茶色で書かれた線がスウィングなし設定でのタイミング、オレンジで書かれた線がスウィングあり設定でのタイミングです
2拍目と4拍目が少し後ろへずれた状態となっています
Houseを作る上でノリをコントロールするとき、このスウィング設定がかなり重要になってきます
スウィング具合を強くするほどハネた感じのリズムになるので、お好みで実際に打ち込んだドラムを聴きながら調整してみてください
次に、サブのドラムパートの打ち込みです
画像は、4小節分のサブドラムです
サブドラムでは、メインの音に対して軽い音を使うことが多いです
ドラムパートの空間を広げて、瑞々しいサウンドを作るために散りばめるパートになります
シンセのドラムキットなどを呼び出して、ランダムにポチポチ沢山打ち込んだものを先程のメインパートと重ねて聴いて、良い感じのノリになるように間引いていきます
このパートでは遊びを加えて、特に決まりを意識せずに、自由に打ち込みます
フェイザーやディレイなどを濃いめにかけるのもありだと思います
ここで使用する音は、コンガやジャンベなどの生音系から、シンセのプラックや声ネタ、なんでもありだと思います
個性のある、聴いている人がハッとするような良いドラムにしていきましょう
そして、2つ目のサブドラムパートの打ち込みへ続いていきます
僕はクラップが沢山鳴っているドラムパートが好きなので、後から沢山クラップを足すことが多いです
画像のノートは全部クラップです
ここで足したクラップは、リバーブを長めにかけて、パーーーンと解放感のある音にしています
こんな風にサブドラムをいくつかトラックを分けて作ることで、エフェクトの管理も簡単になります
以上、ここまでが簡単なドラムパートの打ち込み紹介になります
次はいよいよ、ベースの打ち込みです
ベースに関しては、どんなHouseを作りたいかによって色んな手法があると思うのですが、今回は直近で作った、蓮実さんの『EtErnal rain』Track2:星座紀行のベースの打ち込みについて紹介します
まずはAメロのベースです
4小節分のノートです
コードの変化に合わせて音程は変化しているのですが、ずっと同じリズムを刻んでいるのが分かるかと思います
これでAメロの停滞感を表現していて、聴いている人に次に進む予感を与えています
この曲ではベースのボリュームがキックが鳴ったタイミングで小さくなり、キックが鳴りやむとボリュームが元に戻っていく、いわゆるサイドチェインベースを使っています
よって、画像のE1とF#1のノートはボリューム的にほとんど聴こえない、キックのリリースを少し支えるような音になっています
次は、Bメロのベースです
Bメロでは固めのシンセベースを使っていて、Aメロと比べて短めの、歯切れの良いノートが並んでいると思います
Aメロではノートの切れ目が無かったのですが、Bメロでは無音の箇所があります
ここではサビに向けて展開を停滞させるため、詰まったような感じを表現しています
ドラムパートもある程度間引いて、展開的に少し落ち着いた状態になっていると思います
そして、サビのベースです
サビはスラップベースとシンセベースを2本重ねた一番特徴的な音になっていて、フレーズもかなり複雑にしています
実際の生楽器の事はあまり分かりませんが、スラップ奏法なのでゴーストノートを合間に入れています
極端に細いノートがゴーストノートで、一瞬なのではっきりと聴こえるわけではないのですが、あるなしではノリが結構変わってくるかと思います
また、グイっとベースの溜めを作りたかったので、低いノートが鳴る際にピッチベンドを少し下げています
サビのベースだけをこんな感じで複雑にすることで、サビの盛り上がりがグッと良くなるんじゃないかなと思います
以上、ここまでがベースの打ち込み紹介になります
音作り的なところは、また別の機会に書いていきたいなと思っています
触りの部分だけと言いながら、長々と書いてしまいました・・・
でも、Houseにおいてドラムとベースさえしっかり作れば、8割完成したようなものです
後は、適当にお洒落なコードやボーカルを乗せていけば、驚くほど上手なHouseが作れていることでしょう・・・!
是非、お手元の『EtErnal rain』の星座紀行を聴きながら読んで頂けたらなと思います
・・・え? まだ『EtErnal rain』をお持ちでない?
大丈夫です
マスクは品切れですが、こちらはまだ残っていると思います
お近くの「蓮実のおみせやさん」で『EtErnal rain』を手に入れて、一緒に地球を守ろう!!
ちなみに今、LambはEARTH DEFENSE FORCE: IRON RAINに物凄くハマっています
地球防衛軍のシリーズであるアイアンレインは、従来のシリーズと比べてシナリオが非常に熱く、グラフィックもかなり綺麗です
この記事を読んだ方は、是非とも地球防衛軍に入隊し、アイアンレインを楽しんで頂けたらなと思っています
それでは、良きゲームライフを
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