こんにちは、僕です
さて、ついにハイハットに関する記事を書く時がきました
今回の話題は、Houseで使用するハイハットについてのみです
かなりマニアックな内容になると思います
フェンリルくんの中の人、Lambはとてもハイハットが好きで、曲によっては5時間以上もハイハットの音作りばかりしているときがあります
早速、ハイハットの音作りに入っていきます
自分の場合、ハイハットは1音だけで使うことは滅多になく、5~10個くらいの音を重ねて使うことが多いです
Houseとは、ハイハットによるオーケストラなのです
ハイハットで作り込む部分はあまりに多すぎて、何から書けばいいのか分かりませんが、まずはハイハットの骨格となる、メインの音についてです
ハイハットは、アタックとリリースが特に重要だと思っていて、その中でもアタックは楽曲の雰囲気を左右してしまうくらい影響力があります
クリアで幻想的なHouseを作りたいときに、ハイが少なめの音を選んでしまうと、それだけで曲全体の空間が狭くなるのではないかと思います
上記のHouseを作る場合は、ボーカルに含まれる「スッ」「シッ」という音、ディエッサーで抑えるくらいの高い周波数を沢山含んだようなバランスの、柔らかいアタックを持ったハイハットをリバーブ多めで使うことが多いです
要するに寿司です
柔らかくて高めのハイハットはオケの迫力に負けやすいため、芯を補うハイハットをどんどん追加していきます
ボリュームの大きさ的にはメインのハイハットが一番大きいですが、複数のハイハットでメインを支えるように補っていくことで、コシのあるハイハット合奏部隊が出来上がっていきます
要するにうどんです
次に、ハイハットのリリース部分の話です
ハイハットのリリースは、Houseのノリをたった一音で左右してしまうほどの絶大な影響力を持っています
ハイハットのリリースを弄ったことが無い方は、一度リリースを極端に短くしてみて下さい
突然に空間が変化して、未曽有の体験をすることになると思います
そう、ハイハットのリリースを短くしていくと、BPMは変わらずとも体感のBPMが変化していきます
リリースが短くなればなるほど、勢いが失われて詰まった感じが出ます
逆に、リリースを長くしていくと解放感が出て、止まっていた水が流れ始めるような感じが出せます
これを利用して、AメロBメロではリリースを短く、サビに向けてリリースを長くしていくオートメーションを書く、という手法をよく使います
ここまで作り込んだら、次は2つ目のアタックを作っていきます
この"2つ目のアタック"を知っているかどうかで、Houseで出せるノリの種類が変わってくるんじゃないかと思います
2つ目のアタックを下に示しました(マウスで文字を書いたため読み辛くてごめんなさい)
Houseを聴いていて、ハイハットの後ろが何だか持ち上がっているな、と感じたことはないでしょうか?
シュワッ、シュワッっと、スウィング感が増してノリが格段に良くなっていく、それはハイハットの2つ目のアタックによる影響だと思っています
これを作るためにはおそらくいくつかの方法があって、2通りの方法を知っているので紹介します
2つを合わせても良い感じです
まず一つ目、2つ目のアタックの位置に新しくハイハットを足す方法です
青色の線が、目指しているボリュームのカーブです
緑色の線で描かれたメインのハイハットと同じ、もしくは似たような音のハイハットを赤色の位置に足します
追加した方のハイハットのリリースは、かなり短めの方が引き締まってノリが出やすいと思います
2つ目の方法は、メインのハイハットに対して深めにコンプレッサーをかける方法です
濃い緑で描いた線がコンプ後の波形です
こちらはメインのハイハット1つだけで作ります
リリースを最短にすることで、疑似的に2つ目のアタックがある感じで聴かせることができると思います
コンプレッサーの事があまり分からない方は、近所のコンプに詳しいお姉さんにでも聞いて下さい
そこから始まる恋・・・
このように、2つ目のアタックを付けていくことによって、ノリがとても良くなります
ハイハットが踊っているような感じもします
今回の説明では2つのハイハットの合成でしたが、実際自分が作るときは何個も何個も重ねて行って作りたいボリュームカーブを目指していきます
また、質感を少しザラっとさせたいときシェイカーを重ねたり、アタック感を足したいときはタンバリンを重ねたりもします
いずれもメインのハイハットに対して隠し味程度の音量バランスです
ここまで色々と説明してきましたが、続いてパン振りを考えていきます
今までの考え方を、L・R方向に広げていきます
画面奥がL、手前がRだとするとこんな感じのバランスになると思います
冒頭でハイハットを沢山重ねると書きましたが、こういう意味です
同じパンで全部重ねるわけではないです
Houseはハイハットのオーケストラ、という意味が伝われば幸いです
メインの一番大きなパートは、ボーカルの邪魔をしないように少し左右にずらしても良いですね
両端にエッジ感が欲しい場合は、シェイカーだけに担当させたりする場合もあります
上手く行けば、空間全体を包み込むような、楽曲がまるで波に乗っているかの如く素晴らしいノリを出すことができるんじゃないかと思います
これだけ記事を書いておいて、まだハイハット単発のボリュームカーブしか説明できてないので、House作りの中でもハイハットは特に奥が深い分野なんだろうと思います
何て恐ろしいんだ・・・
次に機会があれば、ハイハットの音質的な意味での音作りや、作った音の時間軸方向の並べ方について書けたらなと思います
それでは、良きゲームライフを
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