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  • 執筆者の写真Fenrir records

4Seasonsのマスタリングについて


こんばんは、僕です


今回は2020年秋M3にて頒布した、『4 Seasons』に施したマスタリング処理についての記事になります


マスタリングに対する僕の考えなども書く予定なので、少し文章が多めの記事になるかと思いますが、ご了承下さい(・_・;)


では、いきます


 


『4 Seasons』は、様々な方が様々なジャンルで曲を書かれていて、なおかつ全20曲もの大作ということで、今まで担当した中で最も難易度の高いマスタリングとなっていました



僕はマスタリングと言えば、色んな意味を含んだ言葉だと思っています


楽曲のクオリティを2mixから更に良い方向へブラッシュアップする、2mixの段階で不足している処理を付加する、アルバム内の他の曲とのバランスをとるetc…


これらの処理は、アルバムの曲数が増えれば増えるほど難しくなっていくものだと思います


本来なら2mixの段階でどの曲も適切なバランスとなっていて、マスタリングでは特にやることがない、という状態が理想かもしれません


でも、大半の同人作品は素人の方々が足りないものの多い中で必死に作り上げた作品であり、業界の標準もなければ、予算の関係上、音を確認するためのモニター環境すら足りていない場合が多いのではないかと思います


僕ももちろんそうです


もしかしたら、同人作品のマスタリングはプロの現場以上に慎重に時間をかけてやるべきものなのかもしれません




よくマスタリングでは楽曲のバランスを変えるものではないという話を聞きますが、それはプロが作った良質な2mixが用意されている前提の話だと思います


明らかにボーカルが埋もれている、高域が強すぎる、低域が曇っている、そんな2mixはマスタリングで積極的に聴きやすいバランスに整える方が良い作品に仕上がるのではないかと思っています




そんな考えで、今回はボーカルの聴きやすさ、それから音のクリアさに焦点を当てた、簡単だけど重要だと思っている処理について書いていきます



 


MVIK処理



出ました、MVIK処理


意味は処理の説明の後で紹介します


これはMS処理に関係する処理なのですが、まずはMS処理について説明します


MS処理とはMid/Side処理のことで、LとRの2分割ではなく、真ん中と両側の3分割によって音を処理します


これによって両側の音を持ち上げてステレオ感を増したり、真ん中だけ持ち上げて音の芯を強くすることができます


上の画像のプラグインはCubaseに標準搭載されているプラグインですが、Routing設定をMid/Sideにすることで、MS処理をすることができます


今回は埋もれているボーカルを綺麗に浮き立たせるために、Mid成分だけ、なおかつボーカルの重要な周波数である1400Hz付近を中心に、かなり広いカーブで0.5dBほど持ち上げています


2mix全体に対してEQでブーストするときは、カーブの設定をかなり慎重に決めないといけないと思っています


マスタリングで特定の帯域に対して狭いカーブでブーストしてしまうと、その楽曲で鳴っている全てのトラックに対して、特定の帯域だけそれぞれブーストすることになるので、2mixでEQを使用する場合とは随分と意味合いが違ってきます


そのため、特に耳に聴こえやすい1~2kHzをブーストするときは、可聴域全体に影響するほどの大きいカーブでブーストするようにしています


こうすることで、違和感なく均一にボーカルを浮かせていくことができると思います


この処理を行って下地を作った後で、どうしても足りない帯域を狭いカーブで少しだけブーストして補っていきます


このボーカルを浮かせる下地を作る処理のことをMVIK処理と呼んでいます




めっちゃ・ボーカルを・良い感じに・聴かせる処理です












 


・OMC処理


さて、次はOMC処理についてです


意味は処理の説明の後で紹介します


この処理は、窮屈な感じを与えないようにクリアに聴かせていく工程になります


とは言っても、実際は単純で簡単な処理です


マスタリングで使用するマルチバンドコンプの、低域と高域を担当する2つのバンドを少しだけ中域よりも持ち上げます

高域がそもそも適切なバランスであれば、持ち上げる必要なないと思います


コンプはかければかけるほど低域が特に減っていく感じがあって、マスタリングでのコンプは全トラックにかかってしまうため、特に影響が大きいと思っています


そのため、普通にコンプをかけていくと段々とシャリシャリしたような、奥行きの無くなった空間の狭いマスタリングとなってしまいます


トータルで聴いたときの音のクリアさは、ふくよかな低域あってこそのものだと思っているので、コンプで減っていく低域を補うという意味で低域のバンドを少し持ち上げます


シャリシャリした狭い空間のラジオのような音質は、とてもクリアだとは言い難いと思うので、マスタリングでは特に低域に注意した方が良いかと思います


このように音を良い意味でクリアにしていく、この処理をOMC処理と呼んでいます


音を・めっちゃ・クリアにする処理です




 


ここまで、マスタリングで僕が使っている2つの処理を書きましたが、実際はもっと色々な処理をしていたりします


続きは月額、PS5一台で閲覧できるようにさせて頂きます





最近はフィリスのアトリエの2週目にはまっていて、1周目では訪れないままクリアしてしまった街や、色んなモンスター達が沢山残っていて驚いています


マスタリングも一度や二度ではなく、何度もその日その日の耳の状態でトライしてみることが重要だと思います


プロのように適切なモニター環境や高価な機材がないからこそ、時間をかけて丁寧にマスタリングをしていくことが大切なんだと思います


そこが趣味で音楽をやる醍醐味であり、存分に時間をかけて、昨日の自分よりほんの少しでも上手くなったことを楽しむ余裕を持てるのが、プロとの大きな違いなのかもしれません


僕は作品を完成させて見てもらうことよりも、いかに音楽を作っている時間そのものが楽しかったか、ということを重要視して活動してきました


よくマイペースだと言われますが、それくらいで丁度いいんだと思います


趣味で作曲を始めたばかりの方は、時間をかけて楽しむ、ということを続けていくと上手く行きやすいんじゃないかなと思いました




では、ブログも書き終わったので、僕は引き続きフィリスと一緒に冒険に出掛けてきます


次回はマルチバンドコンプの僕なりの使い方などを書いていけたらいいなと思っています





それでは、よきゲームライフを


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